"By Design" by Madeline Hunter
続けて、Madeline Hunter の中世6部作 第3作目、"By Design"を読了。
"By Possession"から3年後。
エドワード2世を退位させたイザベラ王妃とロジャー・モーティマーは、王(エドワード3世)が少年なのをいいことに、自分たちが王座にあるかのようにふるまってきました。
彼らに対する不満が高まり、不穏な空気が渦巻き始めています。
主人公は、"By Possession"に登場した石工のRhys と、陶工の下で働く女性 Joan です。
市場の喧騒の中、際立って美しい女性が陶器を売っていた。
Rhys は一目で彼女に魅せられ、彼女と言葉を交わすために近づく。
彼女の作った陶器の像を買い、商売上のアドバイスをしてその場は別れるが、思いもよらないところで彼女と再会する。
Joan は、粗悪品を売りつけた咎でさらし台につながれていた。
Rhys は、半死の状態の彼女を家に連れ帰り面倒を見る。
彼女をこんな目に合わせた親方と対決しに行ったはずが、どういうわけか、彼女の年季奉公契約書を買い取ってしまう。
↓↓↓↓ 以下、ネタばれありますよ ↓↓↓↓
Joan は、どんな男の慰み者にもならないと誓っていました。
自分を助け、弱みに付け込まなかった Rhys も、結局は自分を「買った」のだと思うと激しい怒りと失望を感じます。
Rhys は Joan に惹かれていることを最初から隠そうともしませんが、だからといって、彼女に見返りを求めてはいません。
誘惑しても、彼女の気持ちがすっと冷めるのを感じると、自分を抑えます。
そうして、ゆっくりと友情と愛情を育んでいくわけなのですが、どういうわけだか、私には心に訴えてくるところがまったくありませんでした。
たぶん、主人公のどちらにも共感(warm-up)できなかったからだと思います。
いい悪いの問題じゃなく、主人公を愛せなかったら、ストーリーも楽しめません。
まずヒロイン。
実は、Joan は3年前の反乱の被害者で、つらい過去を背負っています。
弟を守り、正義と復讐のために生きてきたため、彼女は激しい怒りや苦しみを抱えてきました。
Rhys が自分の弱い部分に触れると、激しい言葉をぶつけるというやり取りが何度も繰り返されます。
ヒーローとヒロイン(以下、H/H)の衝突が多すぎるのって、ホント苦手なんです。(だんだん心がブランクになってしまう。)
彼女は本当につらい経験をした、まれに見るタフなヒロインだと思います。そこは純粋に、すごい!と思うし、彼女の言動も理解できます。
だからといって、好きになれるかというと。。。ダメでした。
次にヒーロー。
彼、すごく親切だし、思いやりもある。
とーってもいい人なんだけど、なんだか、「ただのいい人」にしか感じられませんでした。
戦士でも騎士でもない、普通の人(石工ですよ!)がヒーローというのは、とてもユニークでいいと思うんですが、彼のベータっぷりが何とももどかしい。
ヒロインの苦しみに気づいたら、彼女のために立ち上がってほしい。
立ち上がることは立ち上がるけど、もう少し早くなんとかならないものか。
Sir Addis と比べると、ヒロインを思う気持ちも、苦しみも、弱いなぁと思ってしまいます。
どうしてヒロインにそんなに惹かれているのかがよく理解できないので、彼があまり好きになれなかったのかも。
それから、前2冊に比べると、歴史のうねりがあまり感じられなかったことも、ドラマチックさを削いでいたように思います。
カリスマティックな存在感を放っていたエドワード3世の場面がもっとあればなぁと感じました。
そんなわけで私の評価は
Rating: C-
ストーリーが悪くなくても、世界に全く入っていけないということも、たまにはあります。
レビューを書く前に、いくつかレビューサイトをチェックするんですが、どうやら私は少数派のようです。
AAR のレビューは A でした。
でも、Mrs. Giggles のレビューを見て、おんなじこと考えてるーと思ったのは初めてかも。
* Madeline Hunter 作品レビュー
<中世6部作>
第1作
"By Arrangement"
(2006年11月05日)
時代としては、3番目になります。
第2作
"By Possession" (2007年1月4日)
ところで、Madeline Hunter も翻訳されるという話を聞きましたが、どの作品になるんでしょうね?
最新作かリージェンシーのシリーズかな。
# しかし、順番に出なかったら、怒るで。
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コメント
明けましておめでとうございます!
私もつい最近、これを読み終えました。
私もRaquelさんとほとんど同意見です。AARのA評価はちょっと信じがたいです…。
今回のヒロインJoanも、Hunter特有のものすごく強い精神の持ち主でしたが、なんだか今ひとつでしたよね。
ヒーロー、Rhysに関してはRaquelさんと全く同意見です。いい人なんだけど…、って。
あと、お詫びです…。
By ArrangementのRaquelさんの記事へのコメントで、By PossessionにDavidが出ているといいましたが、あれはRhysの間違いだったように思います。よく覚えてないのですが、大変申し訳ありません! m(_ _)m
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: K | 2007/01/10 08:19
ご挨拶が遅れましたが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
Kさまも同じような評価と聞き、ホッと胸をなで下ろしております。
強いヒロインは、ともすれば頑なになりがちなので、この辺のバランスと読者の許容度が評価に関係してくるのかなぁ。。。などと思っています。
私は、頑なちゃんは、ホンッと苦手のツボです。
ヒーローの Rhysは、ただのいい人ですよね。
やっぱり、「いい人」なだけではロマンスのヒーローははれません!
David ですが、この作品に登場するのを見て、また読み返したくなりました。
私も登場人物については、いつもかなりあやふやですよ。(^^A
お気になさらないでください。
投稿: Raquel | 2007/01/10 20:27